俺の手が届く範囲にいろ。


そしたら、航くんは
少しびっくりした顔をして…


『えっ…なんで俺が
Sシリーズ探してるって分かったの?』


って、そんなことを聞いてきた。


だからわたしは、
『声に出てました…!』って言ったら
航くんは、恥ずかしそうに笑ってたよね。


それから、色々話してみたら
趣味が同じことを知って、
すごく親近感が湧いて…


本を貸し合ったりするようになって…


__そして


……わたしはいつの間にか
航くんのことを、好きになっていた。

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