俺の手が届く範囲にいろ。



…次の日の朝、7時25分。


『別々で行こう』とは言われたけど…
わたしは、いつもより少し早い時間に
京ちゃん家のチャイムを鳴らした。


__ピンポーン…


……いち早く、誤解を解くために。


「はーい!」


__ガチャっ…


「あら!?実月ちゃん…!どうしたの!?」


「…紗希さんおはようございます。あの…
いま京ちゃんと話してもいいですか?」


「……へ?京哉ならもう、学校行ったわよ…!」


「………えぇ!?もう行った…っ!?」


驚きの声と共に、
わたしはバッ…と時間を確認する。


「い、いつもなら
京ちゃんがまだ寝てる時間帯なのに…。」


……は、早起き出来たんだぁ…。


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