ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
「それと違う話も聞いたんだけど、副社長の幼馴染ってどんな人?『昔は結構ワルだった』と羅門さんはボソボソ囁いてたけど…」


「ワル?純香さんのこと?」


タバコを吹かす彼女を思い出した。


「その女って大丈夫なの?聞くところによると、相当副社長と彼女の邪魔ばっかりしてきたそうよ」


「え…あ、そう…?」


実は同じ目に遭ってるとも言えず、目線が変に移ろう。


「ケイならそんな邪魔とかにも負けないと思うけど…」


「えっ!?」


「だって、この間私にキッパリ言い切ってたじゃない。『大輔さんだけはムリなの』って」


恥ずかしげもなく言ってしまった言葉を繰り出す。
あれは相手が聖だったから、逃げたり誤魔化したりするのはいけないと思ったんだ。


「何か言われたとしても負けちゃダメよ。そもそも副社長がそんな女を相手にするとは思わないけどね」



「…うん」


純香さんを相手にすることはないかもしれないけど、彼を狙ってるのは彼女だけじゃないんだと聞いてるし。


「ケイは彼に愛されてるんだから、自信を持っていいのよ!」


愛されてるという言葉に冷や汗を感じる
今は愛されてるかもしれないけど、後1回で飽きられる可能性もアリ…とは言えない。



「う…うん、そうだよね」


聖の言葉に納得してみせる。
自信を持ちたくても引っ掛かるものがあって、不安になるとは言い出せない。


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