闇に咲く華


もし私が時間をずらしていたとしたら、ここで待っていても無駄な可能性もある。


私がいつもより早く出ていれば、どれだけ待っていてもこの先私がここに来ることはないわけで……。


そんな可能性もあると知りながら、それでも白玖はここで待っていた。


少し伸びをしながら立ち上がり、歩き出すからそのあとをついていく。


「ごめんね。髪短くしてから、寝ぐせが酷くてさ」


何故か言い訳するような言葉が出た私に、いつものようにエントランスの扉を開けてくれる白玖は、気にしてないというように首を振った。


「今日夕方から降るってよ」


「え?」


「雨な」


そんな風に、話題を変えて来るから、これ以上気にしない方がいいのかと思い、私も話を合わせる。


「お昼に雨降ったら、やっぱ教室で食べるしかないよね」


「そうだろうな」


「屋上、気持ちいいのに」


「だな」


「真緒ちゃん、今日も誘ってみようかと思って」


「いいんじゃねえか」


私が歩きやすいように、白玖が歩く位置を変えてくれる。

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