闇に咲く華
「まだ、松井さんって呼んでんのか?」
「うん。最近、松井さんしか呼べない気がしてきてる」
「まあ、間違いでもねえしな」
「でしょ。だって、どう見ても松井さんなんだもん」
「お前もだけどな」
「私は……」
そこまで言って、そういえば自分も松井になったのだと改めて感じていると……。
「嫌なのか?」
Tシャツに着替えた白玖が、、部屋から出て来て聞いてくる。
白の長袖のTシャツに、ごく普通のジーンズ。
一般的に見て、無難過ぎるくらい無難な私服だけど、顔がキレイな白玖が着ていると、無難なんて感じではなくなる。
白玖は、白がとても似合うと思う。
制服のホワイトシャツですら、色っぽく見えたりするんだから。
「嫌って……」
「松井さんは、お父さんって呼ばれたいのか?」
「ああ、そっち」
「そっちって、どっちだよ」
「私のことかと……」
私が松井だと嫌なのかを、聞かれたのかと思ったから。
「お前は、嫌でも松井だろ」
「え?」
「俺からすると松井姫乃以外、考えられねえぞ」