LALALA
「頑張ってんだね、毎日部屋にこもって。細かい作業だし、自分のペースで作るってなると、自分にも他人にも甘えられないから、大変でしょう?」
残り少なくなったカフェオレを片手に持ち、ストローで細かい氷をしゃかしゃか掻き回していた私は、目を点にした。
「いっ、いやいや、私なんて全然、全然…!たまたま、力になってくれる友人がいて、たぶん状況的に恵まれててこういう方向でやってけることになったってだけで。外に出て働く方が、大変ですよね」
さっきよりも速い速度で、グラスの中を攪拌する。
そんな私を見て、芝崎さんは穏やかに目を細めた。
「そうかな?仕事をそんな風に天秤にかける必要なんて、ないと思うよ。俺は」
騒々しい店内で。
この一番奥まった場所の、カウンターの一角だけ、流れる時間のスピードがまるで違うように。
私は確認するように、芝崎さんの言葉を頭で繰り返す。
「たまたま恵まれてた、って言ったけど、もちろんいいタイミングでいい出会いがあるのは、最高の後押しになるよね。でもやっぱり仕事に対する熱意とか、アクセサリーが好きっていう情熱なんかを、季里ちゃんからは感じるから。そんな風に、自分と誰かを比べて卑下するのはダメ」
「……」
心臓が、バクバクなった。
幾つも歳上のお父さんみたいな人に、こんな風に。
私のこと、なんにも知らないはずなのに。常連客と同棲してる彼女だって、こと以外。
その人が、こんな風に励まされるような、認めてくれるようなことを言われるなんて、思ってもみなかった。
そしてそれが、こんなに胸が高鳴るくらいに、嬉しいなんてことも。
たぶん、私は誰かにずっと。
そう言って欲しかった。理解して欲しかった。
残り少なくなったカフェオレを片手に持ち、ストローで細かい氷をしゃかしゃか掻き回していた私は、目を点にした。
「いっ、いやいや、私なんて全然、全然…!たまたま、力になってくれる友人がいて、たぶん状況的に恵まれててこういう方向でやってけることになったってだけで。外に出て働く方が、大変ですよね」
さっきよりも速い速度で、グラスの中を攪拌する。
そんな私を見て、芝崎さんは穏やかに目を細めた。
「そうかな?仕事をそんな風に天秤にかける必要なんて、ないと思うよ。俺は」
騒々しい店内で。
この一番奥まった場所の、カウンターの一角だけ、流れる時間のスピードがまるで違うように。
私は確認するように、芝崎さんの言葉を頭で繰り返す。
「たまたま恵まれてた、って言ったけど、もちろんいいタイミングでいい出会いがあるのは、最高の後押しになるよね。でもやっぱり仕事に対する熱意とか、アクセサリーが好きっていう情熱なんかを、季里ちゃんからは感じるから。そんな風に、自分と誰かを比べて卑下するのはダメ」
「……」
心臓が、バクバクなった。
幾つも歳上のお父さんみたいな人に、こんな風に。
私のこと、なんにも知らないはずなのに。常連客と同棲してる彼女だって、こと以外。
その人が、こんな風に励まされるような、認めてくれるようなことを言われるなんて、思ってもみなかった。
そしてそれが、こんなに胸が高鳴るくらいに、嬉しいなんてことも。
たぶん、私は誰かにずっと。
そう言って欲しかった。理解して欲しかった。