LALALA
カウンターに両肘をついて、柔らかい角度で芝崎さんは、私の顔を覗き込んだ。
「そういうの、伝わるよ。やっぱ人柄とかさ、わかるもんだよ 。季里ちゃんが頑張ってるところを見てくれてる人が、必ずいるよ」
「……」
なんか、じーんときた。
「そ、そうだったら、いいんですけど、ね…」
上擦った声で私は言った。
これ以上、言葉が続かなかった。
泣きそうで。鼻の奥がつんとして。
「…芝崎さんって、変なとこ見てますね。指とか、耳とか」
聞こえるか聞こえないか、微妙な声のトーンで呟いてみたら、「どき!」隣で大袈裟なリアクションが起きた。
「どき、って。普通台詞にしませんよ」
「頼むよ季里ちゃん、俺のこと、変態扱いしないでくれる?」
「別にしてませんよ。」
「いや、でもなんか、季里ちゃんの俺を見る目が冷たい気がする」
項垂れる芝崎さんを見てぷっと吹き出したときだった。
店内を縫うようにして歩いてきた人物が、私たちの間で足を止めた。
「あの、すみません」
「はい?」
芝崎さんと私が相手を見上げたのは同時だった。
「普段はこんなことしないんですけど、どうしても気になったので」その男性は、差し迫った顔で言うと、芝崎さんではなく私を見た。「自分、隣町で美容院やってるんですけど、あなたの髪がとても気になって」
か、髪…?
背中の真ん中まで伸ばした髪は、元々癖っ毛でうねうねしてるので特にブローもせず、自然な感じで後ろに一本束ねてある。
「カットモデルしませんか?今よりもっと素敵になります、絶対」
「え、えっと…」
カットモデルのスカウトか。
髪が長いからか、これまでに街を歩いていて声を掛けられることが何度かあった。
「あの、すみません、私…」と、言い掛けた矢先。相手は芝崎さんに、視線を移し。「か、彼…、か、ん?お連れ様も、そう思いませんか?」と。怖々といった感じで尋ねた。
どう対応していいか迷ったのか、芝崎さんが目をしばたかせている間に私ははっきりお断りしたが、もし気が変わったらぜひ、と名刺を残し、去っていった。
「そういうの、伝わるよ。やっぱ人柄とかさ、わかるもんだよ 。季里ちゃんが頑張ってるところを見てくれてる人が、必ずいるよ」
「……」
なんか、じーんときた。
「そ、そうだったら、いいんですけど、ね…」
上擦った声で私は言った。
これ以上、言葉が続かなかった。
泣きそうで。鼻の奥がつんとして。
「…芝崎さんって、変なとこ見てますね。指とか、耳とか」
聞こえるか聞こえないか、微妙な声のトーンで呟いてみたら、「どき!」隣で大袈裟なリアクションが起きた。
「どき、って。普通台詞にしませんよ」
「頼むよ季里ちゃん、俺のこと、変態扱いしないでくれる?」
「別にしてませんよ。」
「いや、でもなんか、季里ちゃんの俺を見る目が冷たい気がする」
項垂れる芝崎さんを見てぷっと吹き出したときだった。
店内を縫うようにして歩いてきた人物が、私たちの間で足を止めた。
「あの、すみません」
「はい?」
芝崎さんと私が相手を見上げたのは同時だった。
「普段はこんなことしないんですけど、どうしても気になったので」その男性は、差し迫った顔で言うと、芝崎さんではなく私を見た。「自分、隣町で美容院やってるんですけど、あなたの髪がとても気になって」
か、髪…?
背中の真ん中まで伸ばした髪は、元々癖っ毛でうねうねしてるので特にブローもせず、自然な感じで後ろに一本束ねてある。
「カットモデルしませんか?今よりもっと素敵になります、絶対」
「え、えっと…」
カットモデルのスカウトか。
髪が長いからか、これまでに街を歩いていて声を掛けられることが何度かあった。
「あの、すみません、私…」と、言い掛けた矢先。相手は芝崎さんに、視線を移し。「か、彼…、か、ん?お連れ様も、そう思いませんか?」と。怖々といった感じで尋ねた。
どう対応していいか迷ったのか、芝崎さんが目をしばたかせている間に私ははっきりお断りしたが、もし気が変わったらぜひ、と名刺を残し、去っていった。