LALALA
モデル?
って、さっきカフェで声を掛けられたような、ああいう系の?


「え、なんですか?いきなり。芝崎さんまで」
「ね、やってみようよ!季里ちゃんにとっていい気分転換になると思うんだ!」
「さっきからやたら気分転換プッシュしてくるけど。芝崎さん何者?気分転換教の人?」


私は怪訝な顔を全面に押し出した。
それでも芝崎さんは、引く素振りを一切見せず、目の前で両手を組んで、拝むようなポーズをする。


「ただ俺の隣に立って、笑っててくれればいいから。お願い、一日だけ!美味しいものも食べられるヨ!」


え?
……なにそれ。どんなアルバイトだ。


「…それ、なんのモデルですか?」


ていうかそれ、“モデル”って言う?

と。頭に疑問符を並べながら私が聞いたから、やる気があると勘違いしてしまったのか。


「ありがとう、話だけでも聞いてくれる?」


芝崎さんは、途端に明るい笑顔を弾けさせた。
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