LALALA
☆
「__で、やることになったの?お人好しだねぇ、季里は」
呆れた風に夏子が言った。
お昼時を過ぎたペルシュは、ぽつぽつと、空席が目立ってきている。
「だって、あんなに人に熱心に頼まれたの初めてなんだもん。それに、結構親切でいい人だし、芝崎さんって。」
今日はホットミルクティーにした。
まだ風邪が、治っていないからだ。
「そんな甘いこと言ってると、いつか変な詐欺とかに引っ掛かるよ?心配だなぁ」
辟易としたような表情で、夏子はクリームソーダのアイスをぱくりと口に入れた。
三日前。
駅で博史の浮気現場を見て、雨でずぶ濡れになり、髪を切ってもらったあの日。
芝崎さんから頼まれた内容はこうだった。
親族の結婚式に、一緒に参列して欲しいという。知らない人の式に出るのは気が引けるというのなら、披露宴だけでもいい、と。それが今週末なもんだから、芝崎さんがはあんなに差し迫った顔で、私に懇願していたらしい。
「でもどうして、親族の結婚式にパートナー同伴で行かなきゃならないのかな?」
柄の長いスプーンを唇に当てたまま、夏子は考えるように斜め上を見上げた。
冷房で体が冷えるので、私は膝に掛けてたカーディガンを羽織る。
「それは、私も聞いたんだけど…」
パーティー形式だからじゃない?とか、本人も把握していないらしく、曖昧な解答で要領を得ない。
芝崎さんは大手美容理容チェーンのご子息さんなわけだし、親族の結婚パーティーとなると、ものすごく盛大に行われるのかもしれない。一般人の私にはよくわからないけど、そういうのって、同伴者がいなきゃならないもんなのかな?
「てことは、季里はその芝崎さんて人の彼女の振りをするの?」
テーブルに頬杖をついた夏子が、こちらに身を乗り出した。
「う?うーん、そうは言われてないけど。そうなのかな」
「その芝崎さんって人には、正式に親族に紹介するような彼女はいないってことよね」
「きっとね。いたら、私なんかにこんなこと頼まないじゃない」
「どうして季里に白羽の矢がたったのかしら」
夏子は首を深く傾げて、唸った。
「__で、やることになったの?お人好しだねぇ、季里は」
呆れた風に夏子が言った。
お昼時を過ぎたペルシュは、ぽつぽつと、空席が目立ってきている。
「だって、あんなに人に熱心に頼まれたの初めてなんだもん。それに、結構親切でいい人だし、芝崎さんって。」
今日はホットミルクティーにした。
まだ風邪が、治っていないからだ。
「そんな甘いこと言ってると、いつか変な詐欺とかに引っ掛かるよ?心配だなぁ」
辟易としたような表情で、夏子はクリームソーダのアイスをぱくりと口に入れた。
三日前。
駅で博史の浮気現場を見て、雨でずぶ濡れになり、髪を切ってもらったあの日。
芝崎さんから頼まれた内容はこうだった。
親族の結婚式に、一緒に参列して欲しいという。知らない人の式に出るのは気が引けるというのなら、披露宴だけでもいい、と。それが今週末なもんだから、芝崎さんがはあんなに差し迫った顔で、私に懇願していたらしい。
「でもどうして、親族の結婚式にパートナー同伴で行かなきゃならないのかな?」
柄の長いスプーンを唇に当てたまま、夏子は考えるように斜め上を見上げた。
冷房で体が冷えるので、私は膝に掛けてたカーディガンを羽織る。
「それは、私も聞いたんだけど…」
パーティー形式だからじゃない?とか、本人も把握していないらしく、曖昧な解答で要領を得ない。
芝崎さんは大手美容理容チェーンのご子息さんなわけだし、親族の結婚パーティーとなると、ものすごく盛大に行われるのかもしれない。一般人の私にはよくわからないけど、そういうのって、同伴者がいなきゃならないもんなのかな?
「てことは、季里はその芝崎さんて人の彼女の振りをするの?」
テーブルに頬杖をついた夏子が、こちらに身を乗り出した。
「う?うーん、そうは言われてないけど。そうなのかな」
「その芝崎さんって人には、正式に親族に紹介するような彼女はいないってことよね」
「きっとね。いたら、私なんかにこんなこと頼まないじゃない」
「どうして季里に白羽の矢がたったのかしら」
夏子は首を深く傾げて、唸った。