LALALA
ソフトクリームは普通のミルクと、ちょっとお高い方のバニラがあって、私たちはそれぞれ別のを頼んだ。
「うーん、旨い。そっちはどう?」
ベンチに座り、小さな透明のスプーンで甘いクリームを掬った私は、「食べますか?」ソフトクリームを隣に向けた。
「え、いいの!?」
「ちょっとだけですよー?」
「じゃあ俺のもどうぞ」
食べ比べた私たちは、顔を見合わせる。
「季里ちゃんの方が、濃厚で美味しくない?」
「私は芝崎さんの方がさっぱりしてて好きかも」
「じゃあ、交換する?」
「ダメです、こっちの方が高かったんだから」
「…お金出したの俺だけどね」
暑かったし、ちょっと小腹も空いてたのでソフトクリームはすぐに食べ終わった。
ご馳走さまです、と芝崎さんに言って、ベンチから立ち上がると。
「クリーム、付いてる」
ふ、っと笑いながら、私の唇の端を親指の腹で、きゅっきゅと往復させる。
…また。
子供扱い。
「そ、そんなに笑わないでくださいよ」
頬を膨らまして私は、「トイレでお化粧直してきます!」急ぎ足で向かおうとした。すると、「待ってよ」後ろから腕を捕まれ、行く手阻まれる。
「メイクなら、車の中で直せばいいから。時間も迫ってるし、行こ?」
上目遣いにそう言って、芝崎さんも立ち上がった。「それに、」向かい合って、見つめ合う。風が靡いて、ピアスが揺れた。
「無意識でも、そんな可愛い顔されたら。男は勘違いするよ」