LALALA
車を降りる。
夏の高い空を、飛行機雲が半分に割いた。
結婚式場は、駅から徒歩で数分で行ける、都会のど真ん中にあった。
まるでおとぎ話に出てくるお城のようなビジュアルで、華やかに存在していた。式場の周囲だけが、異空間みたい。
入り口の周りには、ドレスや振り袖で着飾った女性や、スーツで正装した男性たちが数人集まっている。
「芝崎さん、今日の結婚式って…」と、聞き掛けたのも束の間。
「あーっ、将吾だ!」
「嘘、女の子連れてるー!」
人垣が、こっちを指差しながら近付いてきた。
そんなことしても、とっくに意味はないんだけど。私は、芝崎さんの陰に隠れるようにして、肩を縮め込ませる。
「将吾、すごい久し振りー!何年振り!?」
「お前、可愛い子連れてんな!」
正装した出で立ちから、どうやら今日の結婚式に出席するらしい男女六人は、観察するように私をまじまじと見た。
…居心地が悪い。
「彼女、随分若いじゃん!将吾もなかなかやるねぇ」
一人の女性が、私を見てにやにや笑う。
そんな、冷やかす声に一切肯定も否定もせず、芝崎さんはただ、眉を下降させた困り顔で私に言った。「兄貴の同級生たち。昔から知ってて」芝崎さんの後ろで、私は慌てて頭を下げる。
「あ、あの、川添季里です。こんにちは…」
「可愛い~!幾つなの?学生さん?」
「え、えっと…」
私に詰め寄ってきた女性を、「ちょっと。」手で制した芝崎さんは、真面目な表情で続ける。
「今日の主役は俺らじゃなくて兄さんだろ?これ以上季里ちゃんに近寄んないで」