LALALA
芝崎さんがきょろきょろと、部屋中を見回した。


「あれ、祐樹は?」
「きっと花絵さんのとこよ。それかリハーサルかしら。おばあちゃんもどこかへ行っちゃって…」
「ふーん、ちょっくら花絵の顔も拝んどくか」
「こら、将吾。今日からお姉さんになるんだからね。花絵さん、って呼びなさいね」


部屋を出ようとする芝崎さんに、芝崎さんのお母さんが言った。
芝崎さんはドアを開けると、


「おわ!びっくりした!」


ちょうど同じタイミングで入室してきた人と、鉢合わせになった。
控え室に入ってきたのは、白いタキシードを着た男性。


「おー、将吾じゃん!来てくれてありがとな」と、満面の笑みで芝崎さんに歩み寄った男性は、ドアのすぐ傍に立っていた私に気付き、目が合うと一瞬真顔になり。
それからすぐに、息を大きく吸った。


「将吾が彼女連れてきたぞ!!」


大きく叫んだ声は、どうやら半開きだったドアの外にも聞こえていたらしく…


「なんですって!?」


焦燥した声で言いながら部屋を覗いたのは、ウエディングドレスを着た綺麗な女性だった。
シンプルで、でも光沢のある素材はとっても上品で美しい。なによりそれを纏う花嫁が、モデルさんみたいにすごく綺麗で、この世のものとは思えなくて、私の目は釘付けになった。


「将吾ったら、ほんとに彼女連れて来てくれたんだ!可愛い~!」
「花絵が連れて来いって言ったの?」
「だって、将吾って昔っから全然女っけないんだもん。私そろそろ心配になっちゃって」
「花絵が見てないところで、手際よく彼女作ったりしてた、ってことだな」


二人が言い合ってる隙に、「こっちが兄の芝崎祐樹で、こっちが…」芝崎さんが私に紹介しようとしたところ。


「三園花絵です。あ、もう芝崎花絵なんだった」


花嫁は、照れたように笑う。


「私と将吾は同級生なんです。芝崎兄弟とは実家が近くて。昔っから、ずっと三人で仲良くて。ね?」


目映すぎる、純白のドレス。
醸し出される幸せのオーラ。
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