LALALA
そう思うと、胸が千切れそうなくらい、苦しい。

結ばれるかもしれなかった二人。叶わなかった二人の気持ちに、想いを馳せれば。
まるで自分のことのように、いやもっと、それ以上に苦しい。

どうしてかな。
どうしてこんなに切ないんだろう。

心苦しいのだろう。



「えー!将吾、二次会行かないの!?」



三時間にも及ぶ披露宴が終わり。

お兄さんのお友だちや花絵さんに散々誘われたのに、今日車で来てるから酒飲めないし、だとか、今日中に戻んなきゃいけないから早く発たないと、などどいう幾つもの正当な言い訳を並べ、芝崎さんは必死で断っていた。
私はその光景を、ロビーの端でぼんやり眺めながら、かちかちに固まった肩を揉み解した。

気分転換のつもりで、あわよくば幸せをお裾分けしてもらっちゃおう、なんて考えてたけど。

結果は的外れ。
どっと、疲れた。


「将ちゃん、今夜は実家に泊まっていったら?明日、床屋さんお休みなんでしょう?」


モテモテで困ってる芝崎さんに、おばあちゃんが助け船を出す声が聞こえた。
みんながその提案に賛同する声も。

誰もこちらなんて注目してなかったけど、私は軽く一礼して、その場から踵を返した。

出入り口の自動ドアを通り抜けて、多めにお金を持ってきて良かった、と胸を撫で下ろしたときだった。


「季里ちゃん!」


忙しない足音が近づいてきて、足止めするように、私の正面で止まった。


「待ってよ、先行かないでよ」
「私、電車で帰るから芝崎さん、残ってください。みなさんほら、名残惜しそうだし」
「大丈夫、また今度ゆっくり帰省するって言ってきたから」
「でも…」


私は芝崎さん越しに、まだロビーに集結してこちらの様子を窺っているみんなの方を見た。
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