健診診断と恋と嘘

「……ヤバイな。本当にこんなかわいい小悪魔目の前にして我慢できるか、俺。とりあえず買い物行こうか。飯食ってからゆっくり話そう」


小塚さんが私の手を握ってくれて、手を繋いで小塚さんの部屋を出る。


それだけで嬉しくて、ニコニコしてしまう私を見て小塚さんは困ったように笑ってまたため息をつく。


「あー……かわいい。本当に先が思いやられる。大丈夫かな、俺」


どうしたのかと小塚さんの事を見上げると、小塚さんが困ったような笑顔で私を見ている。


「とりあえずこれはもういらないかな。これからは朔ちゃんが安定剤になってくれるから」


そう言った小塚さんがポケットから煙草の箱を出してコンビニのゴミ箱に投げ捨てる。


え、煙草……いいのかな。禁煙するとは言ってたけど、そんなに急にやめられるものなんだろうか。


どのくらい吸ってたのか分からないけど、ニコチン依存症って病院にかからないとやめられない人もいるくらいなのに。


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