健診診断と恋と嘘
うん、今日イチですね……というか、かなりのレベルの高さですね。
結城さんと高倉さんの旦那さんにも負けないくらいのかっこいい人だな。
なんて、そんな事思ってる場合じゃない。謝らないと。
「い、いや……私の方こそごめんなさい。ボーッとしてしまって。大変お見苦しいところをお見せしました」
そう頭を下げて慌てて聴力計の蓋をあけると、その人は笑いながら落ちたボールペンを拾って私に差し出してくる。
「はい。……弓野朔夜さんていうんだ。朔ちゃんだね」
いい声で名前呼ばれてドキッとしちゃうけど、いきなり名前をちゃん付けで呼ぶとか何かチャライんですが。
「あ、ありがとうございます」
でも、醜態を晒してるから何か嫌とも言えない。
その人からボールペンを受け取って私は吹っ飛んでいた椅子を元の位置に戻して座り直す。