健診診断と恋と嘘

それに比べて私は……色気もないし得意なものなんて料理くらいだしすぐ逃げ出すヘタレだし。


あ、なんかちょっとへこんできた。庭の方にでも出ようかな。身体が火照って熱いし。


そう思って庭に出て置いてある椅子に座ると、風が気持ち良くてホッと息を吐く。


こんないい所に連れてきてもらったのに、私……恥ずかしがってばかりでダメだな。こんなんじゃ凌ちゃんに呆れられちゃう。


凌ちゃんが今までお付き合いしてきた人は、きっと落ち着いた大人の色気もある素敵な女性だったんだろうな。


私ももうちょっと成長してこんなことでジタバタしないようにならなきゃな。


もっと凌ちゃんに好きになってもらえるように、凌ちゃんのことを支えられるようになりたい。


それでもうちょっと自分に自信が持てるようになりたいな。


「朔夜、ここにいたんだ」


椅子に体育座りをして感傷的な気分になってしまっていると紺地のシンプルな浴衣を着た凌ちゃんが笑みを浮かべて私の方に歩いてくる。


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