健診診断と恋と嘘

お父さんは本当にこういう大事なこと教えてくれないんだから。


向かいに座ってもどこを見ていいか分からなくて視線が泳いでしまう。正直気まずい。


「改めて、朔夜の父の稔です。今日は遠いところを足を運んでいただいてありがとう。こちら、朔夜の兄の文夜と嫁の真理、孫の葵です」


お父さんに紹介されて頭を下げたお兄ちゃんのお嫁さんが私を見て微笑む。


優しそうな笑顔に私もちょっとほっとするけど、私も紹介しないと。


「初めまして、妹の朔夜です。結婚式にも出れずに挨拶が遅くなって申し訳ありませんでした。えっと、こちらがお付き合いしてる小塚凌平さんです」


さっきお父さんには紹介したけど、お兄ちゃん達にはまだだもんね。


「初めまして小塚凌平です。お忙しいところお時間とっていただいてすいません。あ、これ僕の地元の銘菓です。良かったら」


そう言って凌ちゃんがお菓子の入った袋を笑顔でお父さんに渡してる。


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