健診診断と恋と嘘

「お母さんは体が弱くてな。朔夜を妊娠した時も危険だと言われていた。
二人で話し合って……生むことを決めたんだ。
お母さんにお願いねって頼まれたのに……ダメだな、俺は。ダメなお父さんだ」


「お父さん……」


私はお父さんにも恨まれてるんじゃないかと思っていたけど、今まで何を見ていたんだろう。


こんなに優しい目で私の事を見てくれているのに。


「文夜も朔夜も、俺とお母さんの宝物だよ。お母さんが残してくれた宝物だから、何があってもと思ってたのに……すまん」


そう言ったお父さんを見て、お兄ちゃんが泣きそうな顔をしてるのを見て、苦しんでいたのは私だけじゃなかったんだと思う。


章の時と一緒だ。私は悲劇のヒロインぶっていて、自分だけが傷ついていると思っていた。


傷ついていたのは私だけじゃない。お兄ちゃんもたくさん苦しんでた。


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