健診診断と恋と嘘
「もう、大丈夫だから。私、確かに生まれて来なければ良かったと思ってたけど……凌平さんと出会って、生まれてきて良かったと思えるようになったの。
私一人じゃここにも帰ってこれなかったと思うけど……凌平さんが一緒に行こうって言ってくれたから帰ってこれた。
お兄ちゃんに会うのも、お兄ちゃんのお嫁さんに会うのも怖かったけど、帰ってきて良かった。お兄ちゃんと仲直りできたから」
帰ってきて、お兄ちゃん達と話せて良かった。本当にそう思う。
「こっちこそ、許してもらえて良かった。帰ってくるってなったら結婚の挨拶に来るって言うからびっくりしたけどな。しかもこんなイケメン捕まえて。俺より年上とか信じられないわ」
「お兄ちゃん、老けたもんね」
そう言うとぶっと真理さんが吹き出してお兄ちゃんが真理さんを睨みながら赤ちゃんを抱っこする。
「やっと葵の事抱っこできる。よかったな、葵。かっこいいおじさんができるぞ」
そう言って赤ちゃんに話しかけているお兄ちゃんに眉を下げて笑った凌ちゃんが真剣な顔でまだ泣いてるお父さんを見る。