それはとっくに恋だった
やがて、私たちは高校を卒業した。


達也くんは、都内だけどちょっと離れた大学に進学して一人暮らしを始めた。


私は、家から通える大学に進学した。


そして、颯太うは梨央と同じ大学に進学した。


高校を卒業してからは4人で出かけることはなくなった。



めっきり会える機会の減った梨央と達也くんに遠慮したからだ。



それでも梨央とはよく遊んだ。


そして、颯太とも。



私のことを同じ境遇をもつ同志だと思っている颯太は、梨央への愚痴をよく口にした。


達也くんとケンカしたことを泣きながら相談されて困ったこと。


仲直りしてのろけられたこと。


苦手な講義のテストで再試になって泣きつかれたこと。



そしていうのだ。


「ホント、人の気も知らないで。」


それは颯太も同じだ。


自分で梨央と同じ大学を選んだくせに。


こうなることがわかってても、梨央のそばにいることを選んだくせに。



梨央に優しい颯太は、私には残酷だった。
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