それはとっくに恋だった
父は忙しい人だった。

出張も多く、1週間会えないのなんてあたりまえだった。



だからこそ、父が帰ってくるのがうれしかった。


「ただいま」と玄関から声がすると走っていって出迎えた。


「おかえり」と返すと、少しだけ笑って「ただいま」という父。




小学生にして160㎝を超えてしまった私を軽々と持ち上げる腕。


私の頭を撫でる大きな手。


兄と3人でしたテレビゲーム。




私の決断で、この子にはそんな日常がなくなってしまう。



それで本当にいいのだろうか。



< 51 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop