それはとっくに恋だった
「だから、お母さん家出したの。」


「家出?!」


「そう。家出。何か、お父さんは子どもなんてどーでもいいのかもとか思って不安になってる時に、ちょうどおばあちゃんから電話がかかってきて、ついつい愚痴っちゃったの。そしたら、おいでって言われて。

 お父さんの実家に家出したの。」



「お父さんの方なんだ・・・・」


「うん。だって。実の母より優しいんだもん。」



「・・・・・」



「それでね、それから色々あって、お父さんが迎えに来たんだけど、そしたらおばあちゃんが、『お前みたいな無神経にうちの大事な嫁と孫は任せられない!!』って怒って。」


「え?あのおばあちゃんが怒ったの?」



穏やかな笑顔が頭に浮かんだ。



「うん。お父さんだけじゃなくて、おじいちゃんまでびっくりしちゃって。

 おばあちゃんは怒ってるし、おじいちゃんとお父さんはびっくりし過ぎて役に立たないし。だからねお母さんは帰ることにしたの。怒ってくれたおばあちゃんに免じて、お父さんを許してあげたの。」



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