それはとっくに恋だった
「真尋は、颯太君のこと付き合いが長いからよくわかってるって言ったけど、本当にそうかしら。

 真尋は、自分で自分がわからないときとかないの?何であんなこと言っちゃったんだろ?とか何であんなことしちゃったんだろ?とか。」


「・・・それは、たまにはあるけど。イライラした時とか」


「でしょ?自分のこともわからない時だってあるのに、他人のことが全部わかってるなんてありえないと思うの。」



「・・・・」

「真尋。颯太君ともう一度よく話し合ってみなさい。もし、それでもダメだと思うなら、その時は帰って来たらいいわ。お母さんは、いつだって真尋の味方だから。」


そう言って母は私の頭を撫でた。



その手が優しくて、温かくて、涙が出た。


私は、無言で頷いた。
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