それはとっくに恋だった
梨央を諦めると言った瞬間、怒った真尋。


真尋の傍にいるためには、真尋の前では俺は梨央を思い続けなけばいけないのか。


俺はどうすればいいのかわからなかった。



「颯太、最近元気ないね。」


梨央に声をかけられた。


「真尋を怒らした。」


「ん。それはあんたが悪い。」


「まだ、何言ってねーけど。」


「あの、真尋が怒るんだから、アンタが悪い。」


「まぁ。そうだな。」


「素直でよろしい。」


そんな会話をした夜、梨央から電話がかかってきた。


「真尋、もう怒ってないみたいだよ。」


その言葉を聞いた俺は、まだ何か言っている梨央を無視して電話を切った。


すぐに真尋に電話をかける。



梨央の声が耳元でする。


それだけで、心が満たされる。



なぁ、真尋。俺お前が好きだわ。



本心とは全く別のことを口にしながらそう思った。
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