雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆

教室へ入ると紗英が先に登校して来ていた。


あたしを見るや否や駆け寄って来る。


「鈴、今日は遅かったじゃん！」


そう言う紗英は心配そうな表情を浮かべている。


「う、うん」


ぎこちなく頷くと、心配した紗英がいつもより早く登校して来てくれたことがわかった。


「あの後、また何かあった？」


「ううん……。あ、駿からメッセ―ジが来た」


「なんて？」


そう聞かれて、あたしは駿からのメッセージを紗英に見せた。


それを見た紗英は小さく息を吐き出す。


そして、泣きそうな顔であたしを見た。


「えへへ、やっぱりダメだった」


そう言ってペロッと舌を出して見せる。


だけど紗英は笑ってくれなかった。


まるで自分の事のように苦しそうな表情を浮かべたままだ。


「鈴……大丈夫？」


「あたしは全然大丈夫だよ！　だって、こんなのわかってた結果だもん」


元気にそう言い、自分の席に鞄をおく。


「そうかもしれないけど……」


紗英が言いたいことはよくわかる。


わかっていた結果でも、辛いものは辛いのだ。


だけど告白の結果は出てしまった。


もう戻る事もできない。
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