フォーチュン
「では行こう・・・どこか行きたいところはあるか?」
「そうですね、喉が渇きました。レモン水が飲みたいです」
「レモン水・・レモネードのことか」
「え?ええ、たぶんそうかと・・・」

バルドー国とドラーク王国では言い方が違うのかもしれない。
響きは似ているし、たぶんそうだろうと思ったアンジェリークは、コクンとうなずいた。

ふとアンジェリークが隣を見ると、ユーリスが左の肘をアンのほうへ促すように曲げている。

「あの・・・?」
「腕を組むのと手をつなぐのとどちらが良いか。アンが選べ」
「えっ!」

私はなぜかギョッとして、半歩下がってしまった。
別にコンラッドが嫌とか生理的に受けつけないとかじゃなくて、むしろ逆・・・。

途端にアンジェリークの顔がポッと赤く染まった。

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