フォーチュン
「この人の多さ。それにおまえにとってドラークは初めて来た地。俺とはぐれてしまったらどうするつもりだ?」
「あ・・ああぁ、そうですわ、そうですねっ!」
・・・なんだ。
コンラッドは自ら「用心棒兼案内役」を買って出たという責任から、そう申し出てくれただけなんだ。
もう。私ったら、なんて早とちりな勘違いを・・・。
「では、腕をお貸しいただけますか?」
「喜んで」
アンジェリークの手がそっとユーリスの腕に絡みつくと、二人は静かに歩きだした。
「はぐれないためにも、俺の腕を離すなよ」
「はい」
隣のコンラッドが、やけに近い気がする。
でもさっきの酔っ払いとは全然違って・・・爽やかで、穏やかで、温かい。
微かに隣から漂ってくるシトラスの香りが心地良い。
私の心臓のドキドキとしたうるさい鼓動が、もしかしたらコンラッドにも聞こえているかもしれない。
これに特別な意味はないというのに。
でも、今まで腕を組んで歩いた男性は、父様やお爺様、それに従士のヨハンやセバスチャンとか・・・とにかく父様のような年齢の男性か、それ以上の年齢の男性としか経験がないから、ヘンにドキドキしてしまうのかもしれない。
それに、隣のコンラッドは、素晴らしくハンサムで、ガッシリとした体をした若い男性だから・・・。
ついチラッと隣を見ると、私の視線に気づいたのか、彼と目が合った。
「あ・・ああぁ、そうですわ、そうですねっ!」
・・・なんだ。
コンラッドは自ら「用心棒兼案内役」を買って出たという責任から、そう申し出てくれただけなんだ。
もう。私ったら、なんて早とちりな勘違いを・・・。
「では、腕をお貸しいただけますか?」
「喜んで」
アンジェリークの手がそっとユーリスの腕に絡みつくと、二人は静かに歩きだした。
「はぐれないためにも、俺の腕を離すなよ」
「はい」
隣のコンラッドが、やけに近い気がする。
でもさっきの酔っ払いとは全然違って・・・爽やかで、穏やかで、温かい。
微かに隣から漂ってくるシトラスの香りが心地良い。
私の心臓のドキドキとしたうるさい鼓動が、もしかしたらコンラッドにも聞こえているかもしれない。
これに特別な意味はないというのに。
でも、今まで腕を組んで歩いた男性は、父様やお爺様、それに従士のヨハンやセバスチャンとか・・・とにかく父様のような年齢の男性か、それ以上の年齢の男性としか経験がないから、ヘンにドキドキしてしまうのかもしれない。
それに、隣のコンラッドは、素晴らしくハンサムで、ガッシリとした体をした若い男性だから・・・。
ついチラッと隣を見ると、私の視線に気づいたのか、彼と目が合った。