浅葱色の恋心
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆






2人が屯所に戻り、土方へ報告にいく


「たんなる屋敷を2人で眺めてきた」


彩華が、ぶっきらぼうに言うと

一が、慌てる


「言い方!なんかあるだろ!」


「クククッ 監察方にゃバレバレか
どうだ?話はできたか?」


「余計なお世話だ!
脇腹の痛みは、山崎さんに診てもらってる
そんなに信用できないのか!?」


「あぁ 隠し事してるだろ?
一は、騙せても
俺は、騙せねぇ
伊東さん絡みは、間違いねぇし
それを理由に、一をふって
ひと泣きしたが、腹の虫が収まらず
俺に八つ当たり中なんだろ?」


「え? 彩華…そうなのか?」


「なんでもお見通しのつもりだろうけど…
お… え? 何?」


急に彩華が喋るのをやめた


『彩華さん…少し代わります』


くらりと意識を飛ばす彩華を一が支えた


「あっ 斎藤さん!すみません!」


そそくさと彩華が姿勢を正す


「副長 副長の御推察、大方合ってます
ですが、それを直接確かめるの
やめて貰えますか?
苦しんでいる彩華さんが可哀想で…」

「加納 平助とも話せるか?」


「それが… 俺達が表立つと彩華さんの
命が減るのであまり…
今日は、斎藤さんのおかげで
ちょっと落ち込んでますし」


「俺のおかげ?」


「コホンッ 身に覚えがあるでしょ」


「!!!」


「チッ そういうことか」


土方が不機嫌になる



「彩華さんの事は、守ります!
だから、そっとしてて下さい!」










< 366 / 401 >

この作品をシェア

pagetop