浅葱色の恋心
彩華を永倉君の部屋に連れて行く


「大丈夫か?」


「え?」


永倉君の発言に目をパチパチする



「一は、大丈夫か?ってきいてんの!」


「俺は、どうもない」


「…一、鈍くなったよな
平助の鈍さに負けねぇな
彩華に惚れる男は、鈍くなんのかな
ってことは、土方さんもそのうち
あの鋭さなくなって『へ?』とか
不抜けた返事しだすのかね」


「やっぱり!土方さんも彩華のことを?」


「どう見てもそうだろ!」




土方さんに言われるまで

気がつかなかった

いつからなんだろう




「一 土方さんは、一目惚れだよ」


「!!!」



「君菊といい仲になったのは、きっと
忘れる為だったんだ」


「しかし!仲むつまじくしていた!」


「ああ 君菊に惹かれていたのも事実
だが、夫婦にゃならなかった
土方さんが女に、無防備に笑うのは
彩華くらいなもんさ
君菊の事で、色々負い目感じてるみたいで
ずっと隠してきたんだろうが
限界みたいだからな
一!頑張れよ!」


「頑張るもなにも…」


「頑張らないと!失う!
土方さんに盗られるならまだいい!
伊東さんに殺されるかもしれねぇ!
鈍った頭を鍛え直せ!惚れてんだろ!」















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