漂う嫌悪、彷徨う感情。
「日下さんに、『真琴にも良いところはあるんだよ。 だからオレは真琴の事が好きだったんだよ。 美紗ちゃんには見えていない良いところがあるんだよ』って言われました。 それが見つかれば、結婚の糸口が見えるかもしれないって。 探そうと思いました。 だから教えて欲しいんです。 真琴ちゃんの良いところを。 ワタシ、佐藤さんと結婚したいです。 佐藤さんはまだ、ワタシと結婚する気はありますか??」
美紗の話は、全然しぶしぶ聞いて良い話ではなかった。
「・・・和馬くんの事、忌み嫌いすぎた。 めちゃめちゃイイヤツだったんだ。 オレ、心の中では『くん』なしで呼んでたのに」
自分の悪態を反省しつつ、美紗と和馬くんの間には本当に何も無かったのかもしれないと思った。
「めちゃめちゃいい人ですよ、日下さんは。 ・・・それで、真琴ちゃんの良いところは教えてもらえますか?? 佐藤さんにはまだ結婚の意志がありますか??」
美紗が答えを急かすように同じ質問を繰り返した。
「あるに決まってるでしょ!! だから敬語と『佐藤さん』もうやめてよ、美紗」
今度は強く美紗を抱きしめる。 もう2度と何処へも行かせない様に。