漂う嫌悪、彷徨う感情。
「・・・ほっとした。 良かった。 勇太くんは優しいから、ワタシがちゃんと反省して謝れば今までの事を赦してくれるんじゃないかって思ってたんだけどね、結婚する気はもうなくなってしまったかもしれないって不安だった。 勇太くんに『結婚しなくてもいい』って言われて、当然だって理解はしているのに、しつこく粘っちゃった。 勇太くんと結婚したくて、でもしたくなくて、だけどどうしてもやっぱりしたかった。 ・・・勝手な事言ってるよね、ワタシ。 ごめんなさい」
美紗が敬語をやめて、オレを『勇太くん』と呼びながらオレの背中に手を回した。
「本当に勝手。 勝手すぎ。 今度からは何かあったら絶対オレに相談して。 何でも聞くから。 自分ひとりで決めないで。 オレ、頼りないかもしれないけど、頼ってよ。 美紗の事は全力で守るから。 いつでも盾になるから」
ちゃんと聞こえる様に美紗の耳元に顔を寄せると、
「・・・・・・盾になってくれるんだ」
美紗がオレの顔を見て『ふふっ』と笑った。
「・・・・・・何。 クサい?? キザすぎ?? 今くらい良くない??」
恥ずかしくて少しむくれて見せると、
「クサいしキザだけど、盾、ずっと欲しかったんだ。 ありがとうね、勇太くん」
美紗がオレの頬を撫でた。