漂う嫌悪、彷徨う感情。
「オレもそう思う。 ・・・真琴ってさ、昔から人に謝るって事が出来ないヤツでさ。 『謝罪=負け』だと思ってる節があるって言うか・・・。 アイツ、小さい頃からオレに劣等感があったみたいでさ。 いつも『どうせお兄ちゃんには敵わない』って言ってた。 家での鬱憤を学校で・・・美紗で晴らしてたんだと思う。 誰かを虐めて人の上に立った気でいたんだと思う。 馬鹿丸出しだよな。 今も素直に謝れないでいるんだよ。 真琴も大人になって、自分の過ちが分かって、アイツなりに反省してるんだと思う。 謝れないから、わざと自分に荷重をかける様な事を自ら提案したんじゃないかな。 ・・・だからって、赦さないけどね。 絶対謝らせるけどね。 このまま謝罪も出来ない人間でいられるのは、兄として恥ずかしいから。 更に遠慮もしないからね。 新婚旅行代、真琴に出させるから。 美紗、たしかフィレンツェ行きたいって言ってたよね??」
前に2人でテレビを見ていた時に、旅番組で放送されたフィレンツェの景色を見て美紗が『行ってみたいな』と言っていたのをふと思い出した。