漂う嫌悪、彷徨う感情。
「・・・じゃあ、熱海にしよっか??」
美紗は真琴の気持ちを受け取ってくれたのだろう。 優しい美紗は、真琴の負担を軽くしようと行き先の変更を提案した。
「熱海にフィレンツェないじゃん。 熱海は行こうと思えばいつでも行けるじゃん。 フィレンツェ行くの!!」
しかし、折角の新婚旅行。 言葉も違う異国で2人きりの世界に浸りたい。
「・・・じゃあ、実際いくらかかるのか調べてから決めよう。 別にフィレンツェ一択にしなくても・・・ね??」
美紗がオレを諭しながら困った様に笑った。
「そうだね。 家に帰ってゆっくり決めよう。 どこがいいかなぁ??」
『家で考える』と言いながら、既に考え始めているオレに、
「・・・ねぇ、勇太くん。 真琴ちゃんって、きっと今も日下さんの事を好きなんだよね?? 日下さんとワタシの旅行を邪魔したかったわけだから」
美紗が、もうなかった事にしてしまいたい美紗と和馬くんの旅行話を蒸し返した。