漂う嫌悪、彷徨う感情。

「帰っちゃだめでしょ。 勇太くん、午後から戦略会議入ってるでしょ?? ワタシも今日は、帰りに実家に寄ってお母さんに温泉まんじゅう渡す約束してるから、家に帰ってる場合じゃない。 残業しない様に午後はきっちり働かないと」

今日もしっかりオレの予定まで頭に入れている美紗が、完全にやる気をなくしたオレの髪を撫でながら宥めた。

・・・お母さんに、温泉まんじゅう・・・かぁ。

「・・・今日、オレも美紗の実家に行ってもいい??」

「・・・別にいいけど、おまんじゅう渡すだけだよ??」

突然のオレの申し出に不思議そうな顔をする美紗。

「・・・あのね、美紗。 実はオレ、美紗との約束破ってるんだ。 ごめん」

「・・・え??」

オレの髪を触っていた美紗の手が止まった。
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