漂う嫌悪、彷徨う感情。

「じゃあ、折りを見て2人で部長のところに行こっか」

オレにぴったり抱き着く美紗の髪を撫でると、

「うん」

美紗が気持ち良さそうにオレの胸に顔を埋めた。

そんな顔でそんなに密着されると・・・、

「・・・美紗ー。 そんな風にくっつかれると離れられなくなるでしょ。 仕事、したくなくなるでしょうが。 さっきからオレ、帰りたくてしょうがないのに」

仕事に戻る気力を根こそぎ吸い取られる。

「じゃあ離れる。 デスク戻ろう。 本当にお昼休み終わりだから」

離れがたくて仕方ないオレとは逆に、美紗はアッサリとオレから身体を離した。

「そんなにスッと離れて行かないでよ。 淋しい気分になるでしょうが!! 『ワタシも離れたくない』くらい言ってよ!!」

ずっとこうしていられない事は分かっていても、ちょっとくらい美紗にも寂しがって欲しかったんですけど。

「ワタシは早く戻ってサクっと仕事終わらせて、勇太くんとゆっくりしたいんだもん。 仕事が残ってると思うと、落ち着いて勇太くんと過ごせない」

ごもっともな美紗の意見。 美紗の意見には完全に同意。

こういう時、美紗は案外男前でオレの方が若干女々しくなってしまう。 恥ずかしい。
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