漂う嫌悪、彷徨う感情。
「その通りだね。 仕事、頑張る!!」
『もう、仕事やるしかない!! さっさと終わらせるしかない!!』と椅子から重い腰を上げると、
「ワタシも頑張る!!」
美紗も一緒に立ち上がった。
食べ切れなかったおまんじゅうの入った箱を持ち上げ、会議室を出ようとドアを開けると、
「・・・え?? 何で2人が一緒にいるの??」
ちょうど扉の先にいた小田さんが、こっちを見て眉を顰めた。
「・・・あのね、小田ちゃ・・・「普通でしょ?? 付き合ってるんだし。 もうすぐ結婚するんだし」
言い辛そうに口を開いた美紗を遮る。
美紗が困惑気味に黒目を揺らしながらオレを見上げた。
「・・・どういう事??」
小田さんの視線はオレではなく美紗に向いていて、明らかに美紗に問いかけていた。
「・・・それは・・・「昼休み、終わりだよ。 美紗も小田さんもデスクに戻らなきゃ」
それでも美紗の話を切断し、代わりに小田さんに答えながら美紗の背中をそっと押して、『オレに任せて。 しっかり盾の役割を果たさせて頂きます。 だから心配しないで』と耳打ちをすると、『後でメールするから見て』と美紗がオレのスーツの裾をツンツンと引っ張った。