漂う嫌悪、彷徨う感情。
美紗に頷くと、美紗が小田さんに何か言われない様に、美紗のデスク経由で自分の席に戻った。
オレがピッタリ美紗に貼り付いていたせいで何も聞く事の出来なかった小田さんは、不審と言うよりは不快の眼差しを美紗に向け、何か納得のいっていない様な表情をしながら自分の席に着いた。
オレの席は美紗と小田さんの席からは離れているが、2人の様子は見える位置にある。
誤解を解くなら、戦略会議が始まる前。 会議に入ってしまえば、2人の動きが分からない。
どう説明すれば波風が立ち辛いだろうと、頭の中で話す段取りを考えていると、パソコン画面に新着メールの知らせが表示された。
差出人は美紗。
マウスを動かしメールを開くと、【私たちの事を説明するのに私の過去を話す必要があるなら、私はもう隠しておこうとは思っていないから別にいいよ。 でも、勇太くんの家族が絡む問題だし、何も悪い事をしていない勇太くんが偏見を持たれる可能性がある。 勇太くんが嫌な思いをするのは嫌だ。 勇太くんは、みんなにどう話そうと思っているの??】と書かれていた。