漂う嫌悪、彷徨う感情。
決意を固め、自分も仕事に取り組もうと稟議書の見直しをしていると、
「これ、どういう事??」
隣のデスクの岡本がオレの椅子の肘置きを掴み、自分の席に引きずり込んだ。
岡本に見せられたパソコン画面には、差出人が小田さんのメールが開かれていた。
件名のないメール。 本文には【佐藤さんと美紗、結婚するって。】と書かれていた。
「結婚、しないんだろ?? 木原さん、新しい彼氏に振られたからって調子良く戻って来たとか?? オマエ、あんな酷い裏切られ方をしたのに、木原さんの事受け入れたわけじゃないよな??」
『違います』と言う答えしか受け付けていないだろう質問の仕方をする岡本。
『違う』事には間違いないが、オレの『違う』は岡本が期待している『違う』とは違う。
そもそも全部が違う。