漂う嫌悪、彷徨う感情。
「『美紗の何もかもがムカつく』と言われました。 直していじめがなくなるなら直したいと思って、真琴ちゃんに何がいけないのか聞いたんです。 そしたら『そういうところだよ』って言われました。 どういうところなのか最後まで分からなかったし、今考えても分かりません。 自分の事を『正しい人』だとか『善人』だなんて全く思っていませんが、少なくとも真琴ちゃんに嫌がらせをしたり、困らせたりした事はなかったと思います」
『主観は入れない』と言っていたくせに、どうしても感情的になってしまう。 事実だけを平然と話せるほど、ワタシにとっての中学時代は、淡々とした時間ではなかった。
日下さんは余計な言葉を挟もうとはせずに、ただワタシの話に耳を傾けた。