青涙

『今、那子をからかってた奴らもその事にやがて気づくの。そして、那子にひどい事したなって後悔するのよ。
だから、那子。

大丈夫よ』

『そっかぁ、良かった』

そして学年を上がっていくにつれ、お姉ちゃんの言った通り、変人でからかわれる事はなくなっていき、高校生になった今では全くなくなった。

実際に私より変わった奴が居たしね。

「二人で…楽しんでるかな?」

頬に何かが流れる。

あれ…? 雨…?

頬以外は濡れていない。

どうして…泣くの?

ずっと…ずっと…。

お姉ちゃんに助けて貰ってるのに…。

いつまで…悲しむの?

ねぇ、泣かないでよ…。

ねぇ、泣かないで…。


ブー、ブー、ブー、ブー…。

スマホのバイブ音が鳴り、画面を見ると

お姉ちゃんの名前が表示されている。

…どうしたんだろう?


私は涙を拭うと電話に出た。

<もしもし…。お姉…ちゃ…ん?>

泣かないで…泣かないで…。

<…うっ……うっ…>

<お姉ちゃ…ん? 泣い…てるの?>

<…うっ………うっ…>

<へ…東間…くんと何か…あった…の?>

<…うっ……うっ…>

<お姉…ちゃん…今、家…だよね?
私…すぐ…に家に…帰るか…ら待ってて…>

<ごめ…んなさい…>
< 52 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop