青涙
「どう…うっ…いた…うっ…しまして」

「今度から人が多い所でこんな事すんなよ。
恋人に間違われても困る。
彼女が出来なくなるからな」

「私も…うっ…困る。彼女が…うっ…出来ないせいに…うっ…されるから」

「彼氏が出来なくなるから…困るんだろ?」

「…そう…うっ…ですよ!
手、離…うっ…して」

いつまで私の手握ってんのよ!

「離していいのか?」

「離して…うっ…いいわよ!!
恋人に…うっ…思われたく…うっ…ないんでしょ?」

「思われたくないな」

「だった…うっ…ら、離しな…うっ…さいよ!!!」

「離したいけど」

「離し…うっ…て!!!!」

「離れないな」

「平…うっ…太!!!!!」

「どうしてだ?」

何、遊んでんのよ!!

もう……。



あれ?

今、変人がこっちを見てたような……。

気のせいか…。

「離せ!!!!!!」



「那子、帰るぞ」

「ちょっと待って」

私は変人に駆け寄る。

「ねぇ、昨日はありがとう…。
おかげで3人で誕生日パーティーを…」

えっ?

話を最後まで話してないのに

変人は一人で教室を出ていった。

私…。

無視された?

「おい! 那子!
帰らないのか?」

「…帰るよ…」

どうして?
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