意地悪な片思い
『じゃぁ気になってるんじゃん。』
ゴフっと私は口にいれていた牛乳を吹いた。
流しの前で飲んでいたからセーフだ、床に飛び散るなんてヘマせずに済んだ。
「だから~!」
誰もいない部屋で私はひとりでに叫ぶ。
『なんでそうなるのよ!』
私は勢いそのままに携帯画面に文字を打ち込んだ。
画面の上部には高原遥という名前…そう、仕事を終え帰宅した私は彼女と携帯のアプリでで会話をしている。
話の内容は当然“その人”のことだ。
あまりにもしつこいから話さざるをえなくなったっていうのが正直なところだけれど。
『だって、仕事しているときも意識しちゃう~とか、告白が何だったのか自分から聞いちゃう~とか
どうでもよかったらしないはずだもん。』
『そりゃ私だって人間だもん、告白されたら意識するし、何だったか気になるよ。』
返事を返し、すぐそばに携帯を置くと牛乳で使ったコップを私は洗った。
『ふ~ん。
でもみのり。』
「な、なによ。」
打つ前にまたしても声をあげてしまった。