婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
昨日に引き続き青木さんの指導を受けながら、私は午前中いっぱい航行管理書と格闘した。
昨夜、時間かかり過ぎだろって樹さんに呆れられたけど、確かに……。
いくら教わりながらとは言え、自分でも遅いと思う。
それでも、とりあえず進捗状況だけは報告しておこうと、私は席を立った。
ちょうどお昼休みに差し掛かる時間で、同じフロアのあちこちで立ち上がる社員がいる。
みんながドアに向かっていく中、私は流れに逆行して樹さんのデスクに向かった、けれど。
「樹さ……」
あと数メートル、ってとこで声を掛けようとした時、樹さんのデスクでPHSの着信音が聞こえた。
目線を動かすこともなくPHSを取り上げる樹さんを見つめて、私は反射的にその場で足を止める。
「はい、春海です」
樹さんは意識をパソコンに向けたまま、惰性で応答していた。
相手の話にそれほど集中していないのは、表情がまるで変化しないからわかる。
相手が誰かまではわからないけど、樹さんのこういう態度を見る限り、仕事の話を持ちかけてくる相手ではない。
だから電話の相手は、八割方、社長じゃないかと思うんだけど。
この時間なら、もしかしてランチに誘われ……いや、呼び出されてるのかもしれない。
昨夜、時間かかり過ぎだろって樹さんに呆れられたけど、確かに……。
いくら教わりながらとは言え、自分でも遅いと思う。
それでも、とりあえず進捗状況だけは報告しておこうと、私は席を立った。
ちょうどお昼休みに差し掛かる時間で、同じフロアのあちこちで立ち上がる社員がいる。
みんながドアに向かっていく中、私は流れに逆行して樹さんのデスクに向かった、けれど。
「樹さ……」
あと数メートル、ってとこで声を掛けようとした時、樹さんのデスクでPHSの着信音が聞こえた。
目線を動かすこともなくPHSを取り上げる樹さんを見つめて、私は反射的にその場で足を止める。
「はい、春海です」
樹さんは意識をパソコンに向けたまま、惰性で応答していた。
相手の話にそれほど集中していないのは、表情がまるで変化しないからわかる。
相手が誰かまではわからないけど、樹さんのこういう態度を見る限り、仕事の話を持ちかけてくる相手ではない。
だから電話の相手は、八割方、社長じゃないかと思うんだけど。
この時間なら、もしかしてランチに誘われ……いや、呼び出されてるのかもしれない。