婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
「なんせ私は彼が生まれた時から知っています。もちろん彼も一回り以上年の離れた女は問題外でしょうしね。……でも、帆夏さんはそういう心配はされてなかったようですね」
「あ、はい。……年の離れた従姉妹だってこと、教えてくれましたから」
私の返事を聞いて、深雪さんは一瞬意外そうな表情を浮かべた。
「あら……樹君本人が?」
「え? はい……?」
頷きながらも、彼女の反応が気になって、語尾が尻上がりになってしまう。
それに気付いた深雪さんが、ふふっと声を漏らして笑った。
「すみません。……それならきっと、口で言うほどあなたのこと嫌ってるわけじゃないと思います」
「え?」
「そうですよね? 社長」
深雪さんは、聞き返した私への答えを社長に振るように訊ね掛ける。
社長はそれに小気味よい笑い声を上げながら頷いた。
「まったく……本当に素直じゃない可愛げのない男だな。誰に似たんだか」
「社長じゃないですか? うちの父から言わせれば、瓜二つだとか」
「バカ言うな。私はあんなにひねくれてないぞ。……ふん。まあいい。帆夏さん。樹は昔から何事にも執着しない男なんだよ」
さすがに叔父と姪の関係のせいか、二人のやりとりはとても軽快だ。
「あ、はい。……年の離れた従姉妹だってこと、教えてくれましたから」
私の返事を聞いて、深雪さんは一瞬意外そうな表情を浮かべた。
「あら……樹君本人が?」
「え? はい……?」
頷きながらも、彼女の反応が気になって、語尾が尻上がりになってしまう。
それに気付いた深雪さんが、ふふっと声を漏らして笑った。
「すみません。……それならきっと、口で言うほどあなたのこと嫌ってるわけじゃないと思います」
「え?」
「そうですよね? 社長」
深雪さんは、聞き返した私への答えを社長に振るように訊ね掛ける。
社長はそれに小気味よい笑い声を上げながら頷いた。
「まったく……本当に素直じゃない可愛げのない男だな。誰に似たんだか」
「社長じゃないですか? うちの父から言わせれば、瓜二つだとか」
「バカ言うな。私はあんなにひねくれてないぞ。……ふん。まあいい。帆夏さん。樹は昔から何事にも執着しない男なんだよ」
さすがに叔父と姪の関係のせいか、二人のやりとりはとても軽快だ。