婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
それを聞きながら、私は初めて彼に恋に落ちた新人研修の開講式を思い出す。
社会人になったばかりの新人を前に、『企業の宝になる社員に育て』と言った樹さん。
そして樹さん自身はいずれ社長になる自分のことを、
『俺の宝になることを、社員に後悔させない社長になってやるから』
と宣言した。
この堂々とした力強い人が、私の将来の旦那様。
だからこそ私は彼の宝物になりたいと思った。
そこに夢と希望を抱いて、そして淡い恋心を芽生えさせた。
私は、あの時恋に落ちた自分を、間違っているとは思わない。
「……私は、無理矢理受け入れてもらいたいとは思いません。そうやって押し付けられた私を、大事にして欲しいとは思わない。だから、あなたの宝物になれなくていい。……三ヵ月経って、これっぽっちも私のこと好きになれなければ、この結婚も破談にしてもらって構いません」
樹さんの目をまっすぐ見つめたまま、私はゆっくり言葉を考えながらそう言った。
彼の眉がわずかに中央に寄せられるのを確認しながら、ニコッと微笑み掛ける。
「私、樹さんのこと何度も好きって言いました。でも、全然伝わらなかった。こんなに好きなのにどうして相手にもしてくれないのって、心の中で詰ってました。考えてみれば……当然ですよね。私と樹さんは心も感情も、埋め尽くせないくらいの温度差があるんだから」
社会人になったばかりの新人を前に、『企業の宝になる社員に育て』と言った樹さん。
そして樹さん自身はいずれ社長になる自分のことを、
『俺の宝になることを、社員に後悔させない社長になってやるから』
と宣言した。
この堂々とした力強い人が、私の将来の旦那様。
だからこそ私は彼の宝物になりたいと思った。
そこに夢と希望を抱いて、そして淡い恋心を芽生えさせた。
私は、あの時恋に落ちた自分を、間違っているとは思わない。
「……私は、無理矢理受け入れてもらいたいとは思いません。そうやって押し付けられた私を、大事にして欲しいとは思わない。だから、あなたの宝物になれなくていい。……三ヵ月経って、これっぽっちも私のこと好きになれなければ、この結婚も破談にしてもらって構いません」
樹さんの目をまっすぐ見つめたまま、私はゆっくり言葉を考えながらそう言った。
彼の眉がわずかに中央に寄せられるのを確認しながら、ニコッと微笑み掛ける。
「私、樹さんのこと何度も好きって言いました。でも、全然伝わらなかった。こんなに好きなのにどうして相手にもしてくれないのって、心の中で詰ってました。考えてみれば……当然ですよね。私と樹さんは心も感情も、埋め尽くせないくらいの温度差があるんだから」