婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
樹さんは黙ったまま、私から目を逸らさずに聞いてくれている。
「私も最初は樹さんと同じでした。父から『お前にとって最良の縁談だ』って言われて、樹さんと結婚すれば、私の一生の幸せは約束されたも同然。そう思ってたけど、心のどこかで諦めていたのかもしれません」
私はなんの取り柄もない人間だけど、生駒の姓を受けて生まれたからには、せめて家の為に役に立てれば。
姉のようになんでも完璧には出来ないけど、私には別の生き方がある。
そう信じて生きてきた。
でも……。
「でも私は、幸せなことに樹さんに本当に恋してしまいました。父の言う最良の政略結婚は、私にとって最高の恋をプレゼントしてくれたんです。だから……」
必死に浮かべ続けた笑顔が、少しだけ歪むのがわかる。
言ってるうちに胸が詰まって、最後の方は声が震えた。
与えられたからじゃない。
私はちゃんと樹さんに恋をしてるから。
届かない想いがこんなに切なくて涙が込み上げてくる。
恋心ってこんなに苦しいものなんだ、って実感できることすら幸せだ。
「私がしたいのは結婚じゃなくて恋なんです。樹さんの心が欲しい。好きになって欲しい。だから、お願いです。樹さんが私と同じ気持ちになれなければ、結婚は白紙にしてください」
「私も最初は樹さんと同じでした。父から『お前にとって最良の縁談だ』って言われて、樹さんと結婚すれば、私の一生の幸せは約束されたも同然。そう思ってたけど、心のどこかで諦めていたのかもしれません」
私はなんの取り柄もない人間だけど、生駒の姓を受けて生まれたからには、せめて家の為に役に立てれば。
姉のようになんでも完璧には出来ないけど、私には別の生き方がある。
そう信じて生きてきた。
でも……。
「でも私は、幸せなことに樹さんに本当に恋してしまいました。父の言う最良の政略結婚は、私にとって最高の恋をプレゼントしてくれたんです。だから……」
必死に浮かべ続けた笑顔が、少しだけ歪むのがわかる。
言ってるうちに胸が詰まって、最後の方は声が震えた。
与えられたからじゃない。
私はちゃんと樹さんに恋をしてるから。
届かない想いがこんなに切なくて涙が込み上げてくる。
恋心ってこんなに苦しいものなんだ、って実感できることすら幸せだ。
「私がしたいのは結婚じゃなくて恋なんです。樹さんの心が欲しい。好きになって欲しい。だから、お願いです。樹さんが私と同じ気持ちになれなければ、結婚は白紙にしてください」