婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
私の声で足を止め、樹さんは上半身だけを振り向かせた。
思わず彼の濡れた唇に目が行って、またしてもドックンと胸がひっくり返った音を立てる。
「……ここまでは手、出したって、親父にも知られてるしな」
「え……?」
「どうせ『しでかした』って言われるなら、あんな温いキスだけで済ますつもりはないんだよ。……帆夏」
「っ……!!」
ただでさえドキドキきゅんきゅんしていた胸が、最後の一言でギュンッとうねるような音で鳴いた。
だって、今。
樹さんが私を『帆夏』って名前で……!
「い、樹さ……」
「……呼び方はは親父に指示されたからな。まあ別に『生駒』だろうが『帆夏』だろうが、どっちも変わらないしな」
私にとっては夢のように重大なことを、全然大したことないように言い捨て、樹さんは再び足を進める。
「あ……」
もっと呼び掛けたいのに、声にならない。
樹さんは私を背にしたままドアハンドルに手を掛け、薄く開いた状態で一度ピタッと止まった。
思わず彼の濡れた唇に目が行って、またしてもドックンと胸がひっくり返った音を立てる。
「……ここまでは手、出したって、親父にも知られてるしな」
「え……?」
「どうせ『しでかした』って言われるなら、あんな温いキスだけで済ますつもりはないんだよ。……帆夏」
「っ……!!」
ただでさえドキドキきゅんきゅんしていた胸が、最後の一言でギュンッとうねるような音で鳴いた。
だって、今。
樹さんが私を『帆夏』って名前で……!
「い、樹さ……」
「……呼び方はは親父に指示されたからな。まあ別に『生駒』だろうが『帆夏』だろうが、どっちも変わらないしな」
私にとっては夢のように重大なことを、全然大したことないように言い捨て、樹さんは再び足を進める。
「あ……」
もっと呼び掛けたいのに、声にならない。
樹さんは私を背にしたままドアハンドルに手を掛け、薄く開いた状態で一度ピタッと止まった。