婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
いや、もしかして、樹さんのことだから昨夜も私をからかっただけで、起きてきたらいつも通りつれなくシレッと無視するんじゃないだろうか……という予感もある。
そうなると、そっちの方が正解のような気もして、無駄にドキドキして緊張してたら朝から疲れ果てるだけ、とも思えてくる。
ここ数日の朝と同じように、挨拶しても目の前を素通りされることを予想しながら、むしろそうして欲しいと思う自分がおかしい。
樹さんに言われた通り、私マゾなんじゃないかと思えてくるけど、昨夜のことが脳裏を過ると、それだけで胸がドッドッと強く打ち出す。
樹さんの冷たい態度に『やっぱりあれは戯れか』と納得して、お腹の底からホオオッと息をつきたい。
そうすれば、ジタバタする必要もなくなるんだから。
腰が引けてるようなことを考えながら、私は無意識に自分の唇に手を当てていた。
自分の指でなぞって、樹さんの唇の感触を思い出す。
それだけでドキドキして頬が熱くなってくるのに、胸がきゅんと疼く感覚すら幸せで、唇をなぞる指を止められない。
「……樹さん……」
無自覚で呟いた彼の名前が耳をくすぐる。
自分の声に煽られて、胸が大きくズキュンと鳴った、その時。
「っ……おいっ。なんだ、この焦げ臭い臭いはっ……」
わりとすぐ近くからそんな鋭い声が聞こえて、私はハッと我に返った。
そうなると、そっちの方が正解のような気もして、無駄にドキドキして緊張してたら朝から疲れ果てるだけ、とも思えてくる。
ここ数日の朝と同じように、挨拶しても目の前を素通りされることを予想しながら、むしろそうして欲しいと思う自分がおかしい。
樹さんに言われた通り、私マゾなんじゃないかと思えてくるけど、昨夜のことが脳裏を過ると、それだけで胸がドッドッと強く打ち出す。
樹さんの冷たい態度に『やっぱりあれは戯れか』と納得して、お腹の底からホオオッと息をつきたい。
そうすれば、ジタバタする必要もなくなるんだから。
腰が引けてるようなことを考えながら、私は無意識に自分の唇に手を当てていた。
自分の指でなぞって、樹さんの唇の感触を思い出す。
それだけでドキドキして頬が熱くなってくるのに、胸がきゅんと疼く感覚すら幸せで、唇をなぞる指を止められない。
「……樹さん……」
無自覚で呟いた彼の名前が耳をくすぐる。
自分の声に煽られて、胸が大きくズキュンと鳴った、その時。
「っ……おいっ。なんだ、この焦げ臭い臭いはっ……」
わりとすぐ近くからそんな鋭い声が聞こえて、私はハッと我に返った。