婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
「朝から黒焦げのメシなんか勘弁だよ。ほら、お前も早く支度しろ」
樹さんは素っ気なくそう言って、わりとあっさり私の手を離した。
「えっ……」
解放された手をもう片方でギュッと握り締めながら、私は拍子抜けして樹さんをボーッと見つめてしまう。
彼は呆れたような涼しい瞳をチラッと私に向けるだけ。
「茹ダコみてーな顔してないで、着替えて来い。お前、今朝はもう料理するな。火事でも起こされちゃ堪んないからな。朝食なら、行く途中でカフェで軽くとればいいだろ」
「……は」
私の目の前を通り過ぎカウンターから出ていく樹さんの背中を目で追いながら、私はキョトキョトと目を瞬かせた。
そして。
「い、一緒に行っていいんですか!?」
カウンターから飛び出し、洗面所に消えて行く背中に、ひっくり返りそうな声で訊ねた。
歯を磨いているのか、なにやらモゴモゴした声が聞こえてきて、私も結局洗面所に飛び込む。
「い、樹さん、あのっ……」
「早くひあえろっへひっらろ」
シャコシャコと歯ブラシを動かしながら、樹さんは私には目を向けず、まっすぐ鏡を見たままなんとも不明瞭な声で言った。
「い、いいんですかっ……!?」
樹さんは素っ気なくそう言って、わりとあっさり私の手を離した。
「えっ……」
解放された手をもう片方でギュッと握り締めながら、私は拍子抜けして樹さんをボーッと見つめてしまう。
彼は呆れたような涼しい瞳をチラッと私に向けるだけ。
「茹ダコみてーな顔してないで、着替えて来い。お前、今朝はもう料理するな。火事でも起こされちゃ堪んないからな。朝食なら、行く途中でカフェで軽くとればいいだろ」
「……は」
私の目の前を通り過ぎカウンターから出ていく樹さんの背中を目で追いながら、私はキョトキョトと目を瞬かせた。
そして。
「い、一緒に行っていいんですか!?」
カウンターから飛び出し、洗面所に消えて行く背中に、ひっくり返りそうな声で訊ねた。
歯を磨いているのか、なにやらモゴモゴした声が聞こえてきて、私も結局洗面所に飛び込む。
「い、樹さん、あのっ……」
「早くひあえろっへひっらろ」
シャコシャコと歯ブラシを動かしながら、樹さんは私には目を向けず、まっすぐ鏡を見たままなんとも不明瞭な声で言った。
「い、いいんですかっ……!?」