婚前同居~イジワル御曹司とひとつ屋根の下~
樹さんの同期で、私よりずっと前から彼を知ってる人。
樹さんと同じくらい毒舌で、いつも対等に言い合える人。
私には『力になる』って言って応援してくれたのに、そんなとこまで疑ってかかろうとしてる自分が嫌だ。
嫌だけど……。
青木さん、本当は樹さんのこと好きなのかな。
ここで鉢合わせたのは偶然だとしても、嫌ってたら一緒に並んで映画なんか観ないよね。
それは樹さんの方だって。
私との政略結婚を受け入れるのに覚悟が必要なのも、本当は好きな人がいるから、とか。
それが青木さんだったりしたら……。
一度考え始めたらキリがない。
こんなこと考えたくない。
こんな風に考えるなんて、私らしくない。
そう思うのに……。
樹さんが『すごい』と言ってくれた、何事もいい方向に考える私でいられない。
だって、樹さんのことになると、私はいつも不安でいっぱいだ。
全然余裕ないのに、どうやって平気でいろって言うの。
今こうして樹さんと青木さんを後ろから見ているだけで、私の思考は何もかも悪い方に向かってしまうのに……。
手摺りを一度ギュッと握って、私は劇場の後方のドアを薄く開いて外に出た。
手の平に残ったチケットの半券をギュッと握り締めて、終始俯き加減で映画館を後にした。
樹さんと同じくらい毒舌で、いつも対等に言い合える人。
私には『力になる』って言って応援してくれたのに、そんなとこまで疑ってかかろうとしてる自分が嫌だ。
嫌だけど……。
青木さん、本当は樹さんのこと好きなのかな。
ここで鉢合わせたのは偶然だとしても、嫌ってたら一緒に並んで映画なんか観ないよね。
それは樹さんの方だって。
私との政略結婚を受け入れるのに覚悟が必要なのも、本当は好きな人がいるから、とか。
それが青木さんだったりしたら……。
一度考え始めたらキリがない。
こんなこと考えたくない。
こんな風に考えるなんて、私らしくない。
そう思うのに……。
樹さんが『すごい』と言ってくれた、何事もいい方向に考える私でいられない。
だって、樹さんのことになると、私はいつも不安でいっぱいだ。
全然余裕ないのに、どうやって平気でいろって言うの。
今こうして樹さんと青木さんを後ろから見ているだけで、私の思考は何もかも悪い方に向かってしまうのに……。
手摺りを一度ギュッと握って、私は劇場の後方のドアを薄く開いて外に出た。
手の平に残ったチケットの半券をギュッと握り締めて、終始俯き加減で映画館を後にした。